オリーブオイルは、イタリア料理に欠かせない食材で、「オリーブの実から搾ったジュースである」と言われているくらいだけあって、植物油の中では唯一、果実を搾るだけで作れるオリーブオイルは、人間が最初に手に入れたオイルです。
原産地とされているのはトルコ南部の地中海に面した地域で、もともとは地中海の東、トルコの東南からアフリカの東北沿岸にかけてのごく一部の地域に自生していた。すでに6000年前のクレタ、キプロス、シリアではオリーブオイルが生産されていた。地中海の東部で始まったオリーブ栽培を西へ伝えたのはフェニキア人で、ギリシャ本土・ゴール地方・イタリア半島からシチリア・南スペインへと伝えられた。地中海全域でオリーブが栽培されるようになったきっかけはローマ帝国で、ローマの都では、食用・化粧品など生活のあらゆる場面でオリーブオイルが使われていた。貴族たちはオリーブ農園を経営し、オイルをローマに運んだ。それにより地中海全域でオリーブが盛んに栽培されるようになった。さらに、オリーブは世界各地で神話が伝えられていて、キリスト教・イスラム教など多くの宗教で聖なる油として大切に扱われている。
秋から冬にかけて収穫された実は水で洗われ、砕いてペースト状にされ、水と油に分けられる。このようにして採取された一番搾りの油(ジュースとも呼べる)をバージンオリーブオイルと呼び、その中でも最高級品がエクストラバージンオイルである。オリーブオイルは、他のオイルと比べてもヘルシーさが群を抜いています。その根拠は醸造の課程で添加物を加えることが無く、低温搾りのため温度による品質の変化がなく、さらに酸化しにくく、体にいいと評判のオレイン酸等の不飽和脂肪酸を多く含んでいることが証明している。まさにナチュラルオイルにふさわしいオイルです。オリーブオイルはトマト、レモンと並んで、イタリアの太陽の香りです。
オリーブはイタリア全土で収穫されていますが、以下に主な産地を紹介します。
穏やかな気候に恵まれて、透明感のある黄金色をしていて、デリケートかつマイルドな味を特徴としている。幅広い料理に合う。
実が熟す前に搾るため、緑系統の色をしているものが多い。苦みと辛みが特徴で、豆料理や肉料理に合う。
イタリア国内では最大の産地がプーリア州である。やや辛みを帯び、オリーブらしく強い口当たりと香りで濃厚なものが多い。
プーリア産と同じで、南イタリアらしく実が黒くなって熟してから収穫するため、香りが濃く、オリーブに特徴的な風味であるコクが強い。
ビネガーは料理の名脇役として、煮込み料理やサラダ類には必須ですが、イタリアのビネガーは、ぶどう果汁から醸成したワインを主原料にするものが標準的です。
以下に紹介します。
イタリア独自のビネガーで最近注目を浴びている。北部エミリア・ロマーニャ州のモデナとレッジョ・エミリアの伝統的なビネガーです。その製法は甘みの強いぶどう果汁を煮詰め、ワインビネガーを加えて発酵させ、木樽への移し替えを繰り返しながら、数年〜数十年〜数百年も熟成させる。その特徴はまよやかな酸味と芳醇な甘みと香り、濃い褐色です。
ソースに風味を付けるために加えたり、料理の仕上げに垂らしたりします。
やや渋みがあるが、ふくよかな味わいで、ぶどうの果皮を除去せずに醸成されるので、色は赤。
赤ワインビネガーよりも口当たりが軽く、ぶどうの果皮を除去して醸成させるので、色は白。